こんにちは。
春分の日を中日として一週間の
春のお彼岸が昨日3月24日にあけました。
ところで、そもそも「お彼岸」とは何なのなのでしょうか?
「お彼岸」の意味は知らなくても、習慣で、
春と秋にお墓参りをしたり、
ぼた餅(おはぎ)を食べたりしているかもしれないですね。
それほど日本文化に定着している「お彼岸」ですが、
もともとサンスクリット語の「パーラミター」が語源であると言われています。
「パーラミター」は仏教用語ですが、
日本でもおなじみの般若心経でも「パーラミター」の音訳である「般若波羅蜜多(はんにゃはらみた)」ではじまるほど、
仏教にとって重要な概念です。
サンスクリット語で「パーラミター」とは「完成する、成就する」という意味ですが、
仏教の概念として用いられる場合、
欲や煩悩、苦しみに満ちた輪廻の世界から解脱し、
迷いのない悟りの境地に達することを表します。
この悟りの境地「パーラミター」を、川を挟んだ向こう岸、
すなわち「彼岸」に例えたのが私達日本人の伝統行事「お彼岸」なんですね。
反対に、私達の生きる煩悩の世界はこちら側の岸「此岸(しがん)」と呼ばれています。
日本古来の自然観や先祖崇拝の影響から、
亡くなった家族やご先祖は迷いのない「彼岸」へと渡り、
時々私達の生きる此岸に姿を現すと考えられるようになりました。
春分の日と秋分の日には、太陽が真東から上り真西へと沈みますが、
それによって彼岸と此岸とが通じやすくなり、
これらの時期に先祖供養をすることでご先祖の冥福を祈るとともに、
自らもいつか迷いのない此岸に到達できるよう願ったのです。
ひと口に「お彼岸」と言いますが、
彼岸と此岸(あの世とこの世、すなわちご先祖と私たち)とが交流する時であり、
そのための「お墓参り」なんですね。
この世で生きる私たちが元気で幸せであることを、
きっとご先祖様たちも望んでいることと思います。
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