第一印象では「怖そうな人」だと思ったけれど
実はシャイなだけで親しみやすい性格だった。
そんな風に人の印象が変わった経験はありませんか?
一方で、第一印象はなかなか覆らないという説もあります。
今回は、第一印象が変わりにくい理由と
人間関係に与える影響についてお伝えします。
・第一印象が変わりにくいのはなぜ?
人は相手に抱いた第一印象に基づいて
その後の対応を決める傾向を持っています。
これを「予測の自己実現」といいます。
たとえば、初対面のAとBという人物がいたとします。
AはBに対して「怖そうな人」という印象を持ちました。
これがAのBの性格に対する「予測」です。
すると、Bが実際は怖い人かどうか分からなくても
AはBの前で緊張してしまい
Bの前で失敗しないように気を張って接します。
相手が同じ年や立場ではなく
目上の人だったり、クライアントだったりしたら
余計に緊張してしまうでしょう。
やがてBはAが気を張っていることに気づきます。
すると、「自分も気を張って接したほうがいい」と考え
次第にBはAの前で緊張するようになります。
・第一印象が強化されるとき
そんなBの態度を見たAは
自分の予測が当たっていたのだと思い
「やはりBは怖い人なのだ」と確信します。
ですが、これはAの予測が当たったというよりも
そうなるようにA自身が行動した結果なのです。
また、「怖そう」とか「冷たそう」といった良くない印象を持つと
その人の性格が全体的に悪いと思ってしまいます。
これを「印象形成のネガティブ・バイアス」といいます。
たとえその人のポジティブな部分の情報が入ってきても
ネガティブな印象が変わりにくいのが厄介なところです。
・良い人間関係を築く方法とは?
ちなみに、「明るい」や「おもしろい」といった
ポジティブな印象を持っていた人に
ネガティブな情報が追加された場合も
ネガティブな評価にやりやすいという傾向があります。
つまり、第一印象が良くても
その後に悪いほうに変わる場合があるということです。
AのBに対する態度を見てBが緊張したように
第一印象が原因で人間関係に悪影響が出る場合もあります。
だから、第一印象は良いほうがいいのですが……。
このようなことにならないためには
第一印象や先入観にとらわれず
その人の内面をフラットに見ようとする姿勢が大事です。
「怖そうな人」という印象を持っても
実はそうではないかもしれません。
予測に従って行動するのではなく
初対面の人との会話を積極的に楽しむことで
良い人間関係を築けそうです。