もっと商品を売りたいけれど、付加価値をつけたほうがいいのかな?
サービスを売るためには、もっと価格を下げたほうがいいのかな?
売上をアップさせるための工夫として
価格や内容を見直すことがあります。
ですが、値下げを繰り返すと利益が少なくなってしまいます。
実は……、サービスや商品の内容や価格を変えずに
価値だけを上げる方法があるのです!
今回は、心理的リアクタンスの解説と活用法についてお伝えします。
・なぜ数が少なくなると欲しくなるのか?
人は自由を制限されると、自由を回復しようとする心理が働きます。
それを、「心理的リアクタンス」といいます。
それほど欲しいと思っていなかったのに
残りわずかだと言われたのがきっかけで
急いで買ってしまったという経験はありませんか?
買う自由が奪われるかもしれないという危機感が生じて
このような行動をとってしまうのです。
・希少性の原理と心理的リアクタンスの違い
同じように、「希少性の原理」という心理があります。
これは手に入りにくいものだから欲しくなることをいいます。
通常は安く売られているものでも
欲しい人が殺到すると価格が跳ねあがっても売れますよね。
ですが、希少性の原理を活用するには
環境や社会情勢が関係していたり
商品やサービスを希少性が高いものにしたりする必要があります。
一方、心理的リアクタンスを使う場合は
商品やサービスの内容を変える必要はありません。
・同じ商品なのに価値が上がるのはなぜ?
ウォーチェルが行ったこんな実験があります。
実験参加者にはクッキーを1枚食べて、味の評価をしてもらいます。
実験開始時に別のグループの人が入ってきます。
人が入ってきた理由は3つあり、
その理由によってクッキーの味への評価が変わったというのです。
1つ目の理由は、別の部屋で同じ実験を行っていて
参加者がこのクッキーをよく食べたために
わけてもらいにきたというものです。
そしてクッキーが2枚しか入っていないビンと
クッキーが10枚入っていたビンを取り換えました。
2つ目の理由は、この部屋のクッキーのビンを
間違って持って行ってしまったので返しにきたというものです。
1つ目と同様に2枚だけ残っているビンを置いて出ていきました。
3つ目の理由は、クッキーの量が十分かどうかを確認しにきたというものです。
そして、ビンの中身だけを確認して帰っていきました。
実験参加者がクッキーの味をもっとも高く評価したのは
1つ目の理由のときでした。
クッキーの残りの枚数が少なく、別グループの人の評価も高いことから
無意識においしく感じてしまったのだと考えられます。
なので、商品を買ってほしいときは残り1点と表記するとか
セミナーの告知で「残席3なので早めにお申し込みください」
と書くようにすれば、売上がアップする可能性大です。