些細なことでイライラしてしまう。
イライラしたくないのに……。
怒りの感情は一瞬でわくものです。
だからこそ、怒りそのものがわかないようにするのは至難の業。
ですが、怒りを早く収める方法があるのです!
今回は、イライラが続かなくなる方法についてお伝えします。
・怒りで免疫力ダウン!? 怒ると脳はどうなる?
怒りの感情が発生するのは
脳の「大脳辺縁系」という部分です。
大脳辺縁系は怒り、恐怖、不安などの感情を司る部位を含みます。
怒ると大脳辺縁系に血流が集まり、働きが活性化します。
イライラするのは体に良くないイメージがありますが
まさにその通りで、怒りは大きなストレスを心身に与えます。
アメリカで行われた研究によると
5分間の怒りは5時間の免疫力を低下させるのだとか。
それから、アメリカの医師であるローゼンマンとフリードマンの
性格によって行動パターンを分けた研究では
怒りっぽい人に代表されるタイプAは
心筋梗塞や狭心症といった虚血性心疾患にかかる確率が
それ以外のタイプの人よりも3倍ほど高いことがわかっています。
・怒りを抑える「実況中継」とは?
怒りの感情の変化を見るこんな実験が行われました。
実験参加者をAとBのグループに分けて
見る人に嫌悪感を抱かせるような画像を見せます。
Aグループのメンバーには
「今、『私』はどのように感じているか?」
と自問自答してもらいます。
一方、Bグループのメンバーには
「今、『彼・彼女』はどのように感じているか?」
と考えてもらいました。
そのうえで脳波を測定したところ
Bグループの人の大脳辺縁系の活動が急激に低下したのです。
つまり、怒りを抑えられたということです。
Aグループのように自分の感情としてとらえるのではなく
第三者の感情であるととらえることで怒りが収まりました。
なので、イライラが続きそうなときは
自分の感情だと考えるのではなく
「彼・彼女」はこう感じているのだと
第三者目線で感情を実況中継するのがおすすめです。
・怒りを抑える理性を育てる方法とは?
なぜ実況中継が良いかというと
「大脳新皮質」が活性化するからです。
大脳新皮質は理性を司る部位で
大脳辺縁系の反対の働きをする部分です。
大脳新皮質が活性化すると
大脳辺縁系に使うエネルギーが減り、機能が低下します。
すると大脳新皮質=理性が優位になり
自然と怒りが収まるというわけです。
理性は本能と違い、社会生活で培われるものです。
普段から、計算をする、パズルゲームをする、推理小説を読むなど
理論的に考える活動をすると理性を育てられますよ。
それから深呼吸をするのもおすすめです。
大脳辺縁系で怒りが発生してから
大脳新皮質が動き出すまでに数秒かかるといわれています。
深呼吸をして大脳新皮質が活発化するまで待てば
無理に怒りを抑えなくても冷静になれそうです。