情報を比べてから決断しようと思ったら
検索に時間がかかってしまった。
多くのライバルの中から顧客に選ばれるためには
どんな情報を提示すればいいのだろう?
情報過多の現代、人はどのように情報を処理して
どうやって物事を判断しているのでしょうか?
今回は、情報処理の2つのルートについてお伝えします。
・どちらのルートを使いがち? 2つの情報処理ルートとは?
社会神経科学者のカシオッポが提唱した
「情報処理2ルート説」というものがあります。
人は直接受け取った情報に対して
2種類のルートで対処しているという考え方です。
この2つのルートを知っておけば
情報をスムーズに精査できるようになったり
クライアントや顧客の特徴に合わせたプレゼンが
できたりするというメリットがあります。
1つ目は、「中心的情報処理ルート」です。
受け取った情報の内容を精査し、分析します。
その情報が正確であるか、自分にとってどのように役立つかなど
さまざまな方向から慎重に判断します。
良いと思ったら情報を受け入れ、適切な対応を考えたうえで
それを行動に移します。
合理的で、冷静な知的判断のルートであるといえます。
・決断が早く、説明を聴かない人の情報処理ルートとは?
2つ目は、「周辺的情報処理ルート」です。
受け取った情報をあまり精査せず
情報をそのまま受け入れて行動するのが特徴です。
または、自分には必要がない情報だと判断して
さっさと捨ててしまいます。
現代人は忙しく、情報があふれている状態です。
そのため、すべてを中心的情報処理ルートで精査する時間がなく
周辺的情報処理ルートを使う機会が増えています。
情報の内容を詳細に冷静に分析するのではなく
情報を適当な手がかりによって
善し悪しや取捨選択を即断するのが特徴です。
手がかりとは、仲のいい友達が勧めているとか
有名人やインフルエンサーが良いと発信しているといったものです。
時間をかけずに判断するので効率的ですが
間違った判断をすることも多いのが注意すべき点です。
・相手の情報処理ルートによってポイントを変える
クライアントへのプレゼンや顧客への説明では
その人の情報処理ルートの傾向に合わせて
情報を伝えるといいでしょう。
慎重に情報を精査したい人に対して
「流行っているから」とか「〇〇さんも使っているから」
という理由で勧めても心に響きません。
反対に、人から勧められて試してみたいと思っている人に
細かい部分まで説明して、決断までに時間をかけさせると
情熱や関心が失われることも……。
ただし、説明不足でクレームになる恐れがあるので
要点をきちんと説明し、理解してもらうように努めましょう。